TRIMMING


はじめに

ウェステイのトリミングについては、どこをどうしなければならないという規定もきまりもありません。
いかにそのウェステイをスタンダードに近付けて見えるようにするか。。。
全て、その方のセンスによります。
では、センスを磨くにはどうすればいいか。。。

スタンダードの勉強をすることはもちろんですが、なるべく沢山の理想とするウェステイを見ること。
自分の感情を入れずに、良いものを素直に受け止め、自分の目を肥すこと。

それからでしょう。好みのタイプというのが分かってくるのは。。。
謙虚に冷静に、自分の目を肥やしていってください。

これからご紹介するのは、あくまでも私が今まで学んできたトリミングです。
私の好みのトリミングです。
そこのところをご了解いただき、参考にしていただけたらと思います。
尚、モデルには、アメリカのウェステイのブロンズを使わせていただきます。


ウェステイに限らず、ほとんどのテリア種のトリミングは、プラッキングによるものです。
では、本当のプラッキングとは。。。これから死んでしまうであろう老廃毛を親指と人差し指を使って丹念に引き抜くこと。
しかし、全てを指で抜くというのは、時間もかかるし、大変な作業なので、トリミングナイフを使うことになります。
こうすることにより、毛根が刺激を受け、より硬い毛が生えてきます。
ウエーブのある毛も切らずにちゃんと抜けば、まっすぐな硬い毛が生えてきます。
(トリミングナイフでのプラッキングは、切れてしまう場合もあるので、そのような時は、ウェーブがでてしまいます。)
有色テリアでは、抜くことにより、退色が防げます。
よって、ウェステイの場合、抜きすぎることにより着色してしまう場合が多々あります。


では、なぜ、ウェステイは、このような毛質を保たなければならなかったか???
彼らは、以前、遠い昔、獲物(小動物)を取るために藪のなかを走りまわらなければならなかった。。。
藪の中を走るときに、皮膚を傷つけないように、
濡れても雨を通さないように、風の強い日でも風に地肌をさらさないですむようにと。。。
硬くて密度のある被毛を必要としていた。
しかし、今はどうでしょう。
家庭の空調のいきとどいた良い環境で暮らしている彼らに、どこまで必要でしょうか???

プラッキングとは、、死んでしまうであろう老廃毛を引き抜くということなので、
しっかりしている生きている毛を引き抜くこととは違います。
生きている毛を引き抜くことは、皮膚にはかなりの負担になります。
普通、一般家庭で飼われているウェステイは、毛が落ちないよう、シャンプーやブラッシングをまめにされていて、
老廃毛などない状態ですので、このような個体をプラッキングした場合、かなりの負担、痛みを伴います。
また、バリカン・カットされていた個体の毛は、とても抜きにくいので、これもかなりの負担になります。

それから、
プラッキングをして作っていく過程では、毛の状態を落ち着かせるために、シャンプーは出来ません。
プラッキング直後では、シャンプーは、もちろんのこと、雨などで濡らすのもいけません。
プラッキング後の皮膚は、程度の差こそあれ、ダメージを受けているので、濡らすと皮膚炎の原因になります。
そのことを良く考えてプラッキングにするか、バリカンやスキバサミを使ったカットにするか。。。
決めてあげてください。
また、硬い毛のほうが、切れて落ちやすい場合もあるということも覚えておいてください。
アレルギーなどで皮膚の弱い個体などは、論外です。プラッキングはやめたほうが無難でしょう。

尚、ショーに出陳する場合は、プラッキングによるショー・トリミングが必要です。


では、あなたの大切なウェスティのために、がんばりましょう!!